春、卒入学シーズンで色々考えることが多いかと思いますが、今日は今の時代きっても切り離せないモノ…スマートフォンについてです。
そもそも小学生・中学生・高校生のスマートフォン利用率は?
平成30年度青少年のインターネット利用環境実態調査によると、「スマートフォン」は小学校では40.7%、中学生は65.8%、高校生になると94.3%が利用しているとの結果に。
そのうち、「自分専用のものを使っている」は、学校種が上がるほど多くなり、小学生では35.9%、中学生では78.0%、高校生では99.4%にまでなっています。(上記グラフ参照)
そもそもスマートフォンで何をしているのか?
次に、インターネットの利用内容を学校種別に見ていくと(下記グラフ参照)、小学生では「ゲームが76.2%で最も多く、「動画視聴」62%、「コミュニケーション(メール・メッセンジャー・ソーシャルメディア等)」が35.4%、「音楽視聴」は35.1%、「情報検索」は33%とほぼ同数。よって小学生の傾向としては、圧倒的にゲームと動画視聴がメインの使用となっていることが分かります。
中学生になると、「コミュニケーション(メール、メッセンジャー、ソーシャルメディアなど)」が76.2%で最も多くなり、次いで「動画視聴」74.9%、「ゲーム」66.7%、「音楽視聴」が63.2%、「情報検索」が66.7%となり、SNSなどの「コミュニケーション」が上位へと変動するが、他の項目の利用率が上昇していることから、スマートフォンの利用が多岐に広がっていっていることが読み取れます。
高校生になると、「コミュニケーション」が89.9%と利用率がさらに上昇、次いで「動画視聴」が85.2%、「音楽視聴」が78.8%、「ゲーム」が71.5%、「情報検索」が66.7%という結果になり、中学生と傾向は同じだが、さらに利用率が高まり、スマートフォンの浸透率が高まっていることが分かります。
スマホデビューは中学生!「スマホ=SNS」
つまり、自分専用のスマートフォンを手にする子が増え、スマホデビューするのは中学生からという子が約半数近くいることが、前述の調査から読み取れる。調査は平成30年度のものなので、現在は格安スマホも定番化し、各社学生向けのプラン等が増えてきているのもあり、さらに割合が増えているかもしれません。
スマホで何をしているのかという調査で、小学生から大きく異なるのがSNS等の「コミュニケーション」という結果になりました。つまり、LINEだ。今やLINEがないと友達関係が継続できないと言われているぐらいなので、「スマホ=LINE等のSNSをやるための道具」という認識が一般的なのでしょう。
スマホデビュー=自分専用のスマートフォンを手にすること
→LINE等で友達とやりとりするようになる→スマホがなくては友達関係が成立しなくなる→スマホがないと気になって仕方なくなる
そこが、「スマホデビュー」を考える親御さんたちが気になるポイントなのだと思います。
でも、「うちは持たせない!」と言って、「分かったー」となればいいけれど、そうもいかない。もう大人の我々はスマホがない生活は考えられない。子どもの世界もそうなりつつある。いいのか悪いのかそれが現状だ。もう、腹をくくるしかないのでしょう。
一般的には「約束・ルール」を設ける
スマホデビューするにあたって、使うときのルールを設けようというのが一般的だ。
例えば、KDDIスマホ・ケータイ安全教室「スマホ・ケータイファミリーガイド」を見ると、ルール設定の例や、保護者向けの年齢別子どもとスマホの関わりについてが記載されている。一読してルールを決め、様々な変化で対応していく必要があること、子どもを危険から守る必要があることを、心にとめておくだけでずいぶん違ったものになるのかもしれません。
ですが、約束やルールも、ただ一方的に押し付けるだけでは、破られてしまったり、親に隠れて使用するようになったりと、良くありません。
親のお金で購入し、利用していることを前提とし、
- なぜ、そのようなルールが必要であるのか。
- ルールを守らないとどうなるのか。
そういったことを親子でよく話し合い、スマホを持つことを許可します。
約束が守れない場合は、使用禁止にしてしまっていいと思います。
そして、生活や成長などの変化、新しい機能などの登場に伴い、その都度ルールを見直します。そのためには、子どもの様子を注意してみたり、子どもにスマホについて(それ以外にも)それとなく聞いてみたりする必要があります。思春期で、どうしても答えてくれないときは、LINEで聞いてみてもいいのかもしれません。もしかしたら、返してくれるかもしれません。(なるべく避けたいですけどね…)
ルールは、挙げればキリがありませんし、家庭によってさまざまだと思いますので、ここで羅列はしませんが、フィルタリング設定や課金の注意、歩きスマホ、ネットモラルなど基本的なこと以外に、レタコミュ!的におススメしたいのは、
- 勉強や宿題をする時間は、スマホは別室に置くこと
- 就寝時も、スマホを別室に置くこと
ここは以前の投稿「「文通(手紙)」は脳によくて「SNS」は早くていい?!~どちらも楽しめる時代に~」でも触れた、川島隆太著「スマホが学力を破壊する」(集英社新書)に記載されていたことですが、手元にスマホがありLINE等の通知が確認できる状態にあると、集中力や注意力が散漫になり、実験でもスマホが手元にあるのと別室にあるのとでは成績に大きく差が出たそうです。よって学力的な点から、勉強中はスマホを別室に置く事をルールづけることがいいかもしれません。
就寝時も同じです。夜でもメッセージを送ってくる子はいます。ですが睡眠はとても大切なことなので、それを気にしていると寝ることができなくなるのは、その子にとって死活問題です。子どもの健康を守るためにも、就寝時はスマホから離れるルール作りが大切だと思います。
スマホとの上手な付き合い方とはー依存傾向が見られたら
約束・ルールを取り決めてところで、子ども自身がどうスマホと向き合っていくのかについても、親子で話し合わないといけないポイントです。
自分自身、ポケベルやPHSでメールでのやりとりを始めてしたとき、いかがでした?
電話をしなくても、友達と話ができる。その楽しい気持ちと、返事が気になってしまう気持ち。そういった自分の体験があれば、話してみてもいいかもしれません。
最初はどうしても、その楽しさを知るにつれて、スマホにのめり込んでしまうことがあると思います。もうこれは仕方のないことです。大人だって面白いものを与えられたら夢中で触ってしまいます。
でも、そこで仕方ないとしていたら、やはりよくはありません。最初は、もめるかもしれません。でも、そこは心を鬼にして、決めたルールをしっかり守らせましょう。
それでも、どうしても依存傾向がみられる場合は、気持ちがスマホ・SNSから離れる時間を多く取っていく工夫をしてはどうでしょうか。
スポーツの時間を増やしてもいいかもしれません。マンガや本が好きなら、読書の時間をあげてもいいかもしれません。映画へ行ったり、ショッピングへ行ったり。レタコミュ!的には、やはり、手紙をお勧めしたいです。SNSや学校の友達とは別の時間感覚のコミュニケーション…。その感覚にたまに触れさせることで、気持ちに落ち着きが出てくるかもしれません。
スマホは私たちの生活を便利で楽しくしてくれるものースマホに飲み込まれないために。。。
前述しましたが、スマホはもう生活になくてはならないものです。スマホがあることが前提で話が進められている場面も多々あります。様々なエンターテイメントがあり、SNSがあり、私たちの生活を便利で楽しく、豊かにしてくれるものでもあると思います。きちんと使えば、素晴らしい人生の相棒になることもできます。
大事なその第一歩、スマホデビュー。子どもさんと一緒によく考えて、話し合ってスタートできることを祈っています。