今日は、前回の手紙チャレンジの第二弾、夏のあいさつについて考えてみたいと思います。
※内容は10代向けです。改まった相手や目上の人へ向けたものではありません
前回はこちら↓
【手紙チャレンジ①】気軽に「季節のあいさつ」を添えてみたい!-6月編
夏のあいさつって?
①いつ書くのがいい?
夏のあいさつといえば、「暑中見舞い」ですよね。
「暑中見舞い」は、二十四節気の「小暑」(7月7日頃)~「立秋の前日」(8月7日頃)にかけて送ります。
まだまだ夏もさかりなのに?!と思いますが、その後は「残暑見舞い」という名前に変わります。「残暑見舞い」は「立秋」(8月8日頃)~「処暑」(9月7日頃)の間に送ります。
やはり私たちの感覚も、「7月8月は夏」「9月は秋(まだまだ暑いけど)」といった感じではないでしょうか。「暑中見舞い」などのお便りは決まった時期で出す必要がありますが、手紙には「9月に入ったけどまだまだ暑いね~」といった実際の感覚で、書き添えればOKです。
②一般的な夏のあいさつって?
では次に、一般的な夏のあいさつ―まずは「時候のあいさつ」について見ていきたいと思います。
前回も紹介しましたが、
- 季節を表す熟語に「~の候」「~の折」とつける
- その後に、相手の様子を訊ねる言葉を付ける。
例(個人宛):「○○様」+「におかれましては・には」+「ますます・一段と」+「お元気に・お健やかに」+「お過ごしのことと」+「存じます・お喜び申し上げます」(参照:手紙の書き方大事典「相手方の安否を尋ねる挨拶」)
という流れになります。詳しい所は前回を見て頂くこととして、今回は省略します。「季節を表す熟語」のみを紹介しますので、「一般的な夏のあいさつ」の雰囲気をつかんでみてください。
- 7月…盛夏、猛暑、大暑、炎暑、など
- 8月…晩夏、残暑、立秋、納涼、など
- 9月…初秋、爽秋、新秋、仲秋、清涼など
このように、7月は「夏の始まり」、8月は「夏の盛り」、9月は「秋の始まり」という感じがします。この雰囲気をもとに、親しみやすい夏のあいさつを考えてみましょう!
親しみやすい夏のあいさつを考えてみよう!
①夏といえば…?
ではまず、イメージしてみましょう。
暑くなってきた「7月」のイメージ例
アイスが食べたくなる 、プール開き、かき氷器を出す 、冷たいお茶、エアコン、麦わら帽子を出す、梅雨明け、サンダルを出す、うちわ、夏休み など
夏真っ盛りの「8月」のイメージ例
海、プール、山、セミ、青空、入道雲、スイカ、お盆、帰省、夏休みの宿題、木陰、汗、甲子園、過去最高気温、星、花火、夏祭り など
秋が始まる「9月」のイメージ例
まだ暑い、運動会、新学期、文化祭準備、名月、少しづつ涼しく、少しずつ日が短く、コスモス、台風、虫の声、朝晩が涼しく など
そのほか自分の周りで気になったことはないか、思い返してみるといいと思います。
例えば、今年(2020年)は従来なら7月のイメージの「梅雨明け」が8月に入ってからと遅かったのですが、そういった実際の天気・気候を気にかけ、書いてみると共感を得やすくすっと心に入ってきます。また、「暦上では立秋なのに、ようやく夏が始まったような感じだなー」とか、古来からの暦と比較して天気や気候を感じて、イメージしてみるのもいいかもしれません。
②自分はどんな気持ち?
②で考えたイメージを、自分はどんな気持ちなのか整理してみましょう。
例えば、
セミなら「うるさい」と感じているのか、「夏らしくて楽しい気持ちになってくる」のか、
プール開きなら「わくわくする」のか、「泳げないから憂鬱」なのか、
夏休みの宿題なら「もうやっちゃったから楽~」なのか「まだ残ってて不安…」なのか、
など、
自分がどう思っているのか、そして何を書きたいか固めていきましょう。
その後の手紙の内容に続いていくものだと、手紙自体も書きやすくなります。
ただ、ここで気を付けたいのが、季節のあいさつは冒頭に書くため、あまりマイナスの気持ちの言葉を選ぶと、その後の手紙の内容もマイナスイメージになってしまうかもしれません。それが正直な気持ちなら仕方ないですが、楽しい感じで始まる方が、読み手にとっても楽しく読み始られ、わくわくする気持ちになります。相手にどういう気持ちになってもらいたいか、そこを考えて書いてみるだけで、独りよがりにならない、気持ちのよい手紙になると思います。
夏のあいさつを書いてみよう!
では、実際に書いてみましょう。
今年(2020年)の夏は梅雨明けも遅くコロナ禍で初めての夏。都道府県で夏の事情も違ってきてますが、そんな中のあいさつを想定してみると…。
夏休みもようやく始まったけど、今年はプールがないから泳げない私としては嬉しいー!○○さんは泳げる??
ようやく夏らしくなってきて、アイスがますます美味しく感じる季節になったね…♡太りたくないけど、やめられない~(涙)○○さんはアイスは何が好き?
夏休みももう終わりだけど、最後の最後で海だけ見てきました!少しでも夏気分が味わえて、海もキラキラして癒されました…。○○さんは、どこか行った?
ぼちぼち夏休みも終わり…でも9月になったら文化祭の準備に入るからそれは楽しみ!だけど今年はないのかな:○○さんの所はどうですか?
ようやく青空が見れて、それだけで幸せ~!毎日写真撮ってるぐらいw。○○さんは何か写真撮ってるものある?
毎年思うけど、エアコンの効いた部屋で甲子園見てるのって、何となく罪悪感(私だけ?)でも頑張ってる姿は、本当にグッとくるよね…。○○さんは甲子園、見てる?
ようやく朝晩が涼しくなってきて、通学が楽ちんになってきたね~!私の大好きな秋が近づいてて、本当に嬉しい!○○さんは、どの季節が好き?
この前の台風は大丈夫だった?私の所は大した被害もなくて一安心…。まだ台風が来るみたいだから、何事もないことを祈ることしかできないのがもどかしい…。
と、こんな感じで気軽に季節の話をしてみるだけで、相手との共通の話題が生まれやすくなり、手紙のやりとりがより一層楽しいものになるのではないでしょうか。
季節のあいさつをすることは・・・
・相手を知ることができる
前述したとおり、季節のあいさつは相手との共通事項です。「あいさつ」というと堅苦しく感じるかもしれませんが、季節の話をする感覚で、手紙の初めに書いてみるだけで相手の考えていることや、相手の住む地域の情報、季節ならではの楽しみにしている話、など、色々な話ができるきっかけになります。
・季節に親しむきっかけ=大人になっても役立つ
また、季節のあいさつをする習慣をつけると、季節を意識するきっかけにもなります。季節を意識することは、その季節の持つ感覚に親しむことです。10代の頃の多感な時期に、季節の様子を感じ、それを相手へ伝えることは、大人になってからも役立つはずです。
大人になり、社会生活を送ると季節に関する話題が必要になったり、企画などの仕事についた場合、先取して季節を考える必要があります。それほど「季節」は人間にとって大切なことだといます。
難しく書きましたが、まずは、季節に親しむことから始めてみてください。
夏休みに、手紙を書いてみては?
夏休みももう終わりに近づいているかもしれませんが、時間のある夏休みに、夏の様子に耳を傾けて手紙に添えてみてはいかがでしょうか。
夏のあいさつはどういうものがあるのか、考えてみるだけで楽しいですよ。