住所を聞くって?~年賀状スルーから考える~

もう冬休みに入っている方も多いのでしょうか。今年もあと残すところ約一週間。クリスマスに大掃除、そして「手紙」にまつわるイベントとして忘れてはならないのが「年賀状」です。


年賀状スルーと住所知らない問題

今年は「忘年会スルー」に始まり「年賀状スルー」という言葉も言われているそうです。
確かに面倒くさい。お金もかかる。準備するだけでひと手間かかる。SNSでピュインと送ってしまえばあっさり終わります。でも理由はそれだけでなく、「住所を知らない」ということも理由の一つだそうです。

携帯電話・スマートフォンの普及によって、または住所が分からないとの理由で、年賀はがきを出さずに、電子メールやソーシャル・ネットワーキング・サービス、インスタントメッセンジャーで、新年の挨拶を済ませる人も多くなってきている。

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住所教えて?って聞くのは、何となくためらわれる

送りたいけど住所を知らないという事態は、もちろん個人情報保護法の影響です。確かに、メールアドレスやLINEのIDは気軽に聞けても、「住所を聞く」というのは余程親しくならないと聞きにくいことのような気がします。「住所」つまり「家」というのは、一番プライベートな場所ということなのでしょうか。あまり親しくない人から「住所教えて?」と聞かれれば戸惑う人も多いかもしれません。

個人ではプライバシーを重視して自宅住所を知られたくないと考える傾向が強い。個人情報保護法では、住所や居所を含む連絡先は保護対象に含まれる

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学校はもちろん職場でも、今は住所録が公開になっていないところがほとんどでしょう。年賀状を送りたければ、「住所教えて?」と聞かなければ相手へ送れません。

子どもの世界でもそれは同じです。クラス全員に書くのは大変なので、その中から親しい子だけに送るというのもなかなか難しかったりします。学校で「年賀状を送りたいから住所教えて?」と聞いてくるだけなのですが、だれに聞くか、聞かれなかった子に失礼にならないか、相手の子にも用意してもらうことになっちゃうかな、などと悩みだしたらキリがありません。

でも、「年賀状を送りたい」という気持ちは、すごくすごく素敵な気持ちだと思います。その気持ちがあるのに、「住所」を聞かないと送れないというだけで、悩んでしまうのはなんだかもったいない気もします。


年賀状の歴史から、現代の「年賀状」を考える

そもそも年賀状の起源って何なのでしょう。

日本では、起源ははっきりとはしないが、奈良時代から新年の年始回りという年始の挨拶をする行事があった。平安時代には貴族・公家にもその風習が広まって、挨拶が直接行えないような遠方などの人への年始回りに代わるものとして、文書による年始挨拶が行われるようになった。

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これを読む限り、”会えない遠くの人に年始の挨拶をすることが年賀状の始まり”ということが分かります。
でも、その後時が経ち、明治時代に郵便はがきが登場したことで年賀状に風習が広まり、戦後お年玉付きの年賀はがきが発売されたことによって、広く日本人に浸透していった。その経緯の中で、遠く離れた人だけでなく、身近な人へも送る習慣になっていったのでしょう。

平安時代の人からしてみれば、「会える距離にいるのだから、なぜ会って挨拶しないのだ」と言われそうですが、確かにそうです。
会える距離にいるのだから、会って今年もよろしくといえばいいのです。そう割り切って住所なんか聞かずに学校や職場で「今年もよろしく~」と言って、年賀状を渡してもいいのかもしれません。でもお正月は大抵の人は休みなので、三が日に伝えようと思うと難しいのが現状です。


年賀状を「送りたい」と思える相手

では、やはり「住所を聞く」となると、「住所」というトップシークレットを聞くという心構えを持って聞きたいものです。

この一年、

  • とてもお世話になった
  • 一緒に過ごせてとても楽しかった
  • お礼を言いたいことがある 
  • 自分の近況を知らせたいだけでなく、相手の近況を知りたい など

という気持ちがあり、相手のことを大切に思う気持ちがあるかどうかを自分自身に確認することが大事です。
その気持ちがある上で、相手へ「年賀状を送りたいので住所を教えて」と勇気を出して聞いてましょう。もし、断られても、そんなお礼を言いたい相手なら、少しショックかもしれませんが、相手に何か事情があるかも、とプラスに考えられます。
また、相手へはちゃんと「送りたい」という気持ちがあることは伝わっています。それで関係が悪くなるような相手なら、それまでの付き合いなのでしょう。

それぐらいの覚悟を持って、「住所」を聞かなければならない時代になってきているのかもしれません。


年賀状スルーする前に・・・

今まで送ってきた相手に対しては、「義理」や「義務」という思いが強いため、年賀状スルーしたくなるのかもしれません。本当に年の初めに「挨拶」したいと思える相手なら、多少の手間を惜しんで年賀状を準備するはずです。

「年賀状スルー」を考える前に、先述の相手に対する思いを確かめてもいいのかもしれません。もし「スルー」したい相手がいるのであれば、仮にも相手の大切な住所を預かっているのですから、きちんと相手に今までのお礼とを伝え、その住所も適切に管理したいものですね。
でも、せっかく住所をしっている仲なのに、ここで「面倒だから」と終わらせてしまうのはもったいないような気もします。もう一度、会ってみたり、メールを送ってみると、新しい関係が始まるかもしれません。


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住所を聞かなくても、文通ができるレタコミュ!。年賀状もこのように住所を知らなくても届けたい相手へ届けばいいのですが、(郵便局の年賀状トレードというサービスもありますが・・・)、まだまだ難しそうです。
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