こんにちは、「レタコミュ!18PLUS」です!
緊急事態宣言の解除が進んでいますが、ウイルスの収束とはいえず自粛生活はまだまだ続きそうです。そんな毎日の中、さすがに疲れてきて「コロナ疲れ」という言葉を聞く事も増えてきました。
おうち時間を過ごすことに慣れてきても、「家」という閉塞した空間にいるとどうしても気持ちがふさぎ込んでしまいます。
家族との時間が増え、最初は楽しくやっていても、毎日となるとストレスに感じている人も多いかもしれません。
かといって「一人の時間が欲しい」とショッピングや映画に気軽に出かけられない日々…。
この気持ち、どうしたらいいのでしょう。
「手紙」が、解決してくれるかもしれません。
前回、おうち時間での手紙のメリットを紹介した「手紙のススメ~新しい趣味にも」という記事を書きましたが、今回はさらに「気持ちの面」を深堀りして、「手紙」を書くことでどのような気持ちの変化があるのについて書きたいと思います。
手紙の効能
まず、手紙が気持ちの面でどんな「良い」影響があるのか、手紙の効能について見ていきたいと思います。
①相手がいるということ~日記との違い
手紙が日記と大きく異なる理由の一つは、相手がいることだと思います。
自分に向けて書くのか(架空の友達に向けて書いたりすることもあるかもしれませんが)、誰かに向けて書くのか。たったそれだけの違いのように思いますが、これが大きく違います。どうかけば、相手がどう思うのか、どう感じるのか、この気持ちをどう伝えたらいいのか。そういう「相手の目線」を気にしながらも、手紙はそれに対してじっくりと取り組むことができます。緊張感と、まだ相手が見ていないというリラックス感。その中で、自分の気持ちを自然と客観視し、向き合っていくことができます。
例えば、毎日が嫌だという気持ちを伝えたい場合、日記だと
「あーいやだいやだ、早く気軽に外へ行きたいー、いつもいない家族がいてほんとにイヤー、ごはんのメニューを考えるのも本当に疲れちゃった。気分転換もかねてスーパーへ行ってもマスクしてない人もいたりしてそれもいや!いい加減してくれ!」
と書くところが、手紙だと
「家の中にいると、どうしても嫌になってきますよね。○○さんは、家族との時間をどう過ごしていますか?私はご飯を作るのが悩みで、メニューを考えるだけで疲れてしまって。日替わりで色々なパスタを作ることでどうにかしのいでいます(笑)。何かおススメあったらゼヒ教えて下さい!ちなみに私のおすすめは、納豆パスタです!簡単で美味しかったですよ。気分転も兼ねてスーパーに出かけても、マスクをしていない人がいたりして、嫌な気持ちになりますが、すごい勢いで避けて、美味しそうなものを探すのが目下の楽しみです。こんな生活は早く終わって欲しいですが、スーパーへ行くのがこんなに楽しいことだと気づいたことは大きな収穫です。大変な作業だと思っていたので…。○○さんは、今の生活で楽しんでいることはありますか?」
と、いう内容に変わります。
日記は一見ストレスを吐き出してスッキリしそうですが、はっきり言ってただの愚痴です。しかし一方、手紙の方は前向きな話がたくさん出てきます。誰かに向けて書くだけで、読み手である相手を嫌な気分にさせてしまわないようにと無意識に配慮するからです。
そして、日記と違い質問ができます。会話やSNSと違いすぐには返事がありませんが、相手へ投げかけることで自分の気持ちに切り替えができ、希望も出てきます。
また、日記に書いてあることは率直な本音かもしれませんが、手紙に書いてあることも決して嘘ではありません。同じ考えからでも、ただの愚痴ではなく、もう一段階先に自分で昇華させています。手紙にはそんなマイナスな気持ちも、プラスに変えてしまう力を持っています。
②文字を書くということ~ブログやSNSとの違い
では、誰かに向けて書く「ブログ」や「Twitter」でもいいような気がします。
確かに、ただ自分に向けて日記を書くのと違い、「ブログ」は誰かに読んでもらうことを前提に書くため客観的な視点で書いたり、コメント欄を開示していればやりとりすることも可能です(しかも手紙より早く)。全世界に発信されることを理解していれば、プライベートな話も書けるでしょう。では「手紙」との違いは何なのでしょうか。
それは「文字を書く」かどうか、です。
手紙をパソコンで書いてみると、実に無味乾燥で面白くないものに仕上がります。企業から送られてくる手紙がいい例です。パソコンで書けば簡単に書けるからいいと思う気持ちも分からなくないですが、実際手書きで書くのとパソコンで書くのとでは書き手だけでなく、読み手にとっても全然違います。
まず書き手側の違いをまとめると、
- 丁寧に書こう、間違えないにしよう、などという緊張感が生まれる
- ゆっくりと手で書くことで、気持ちが落ち着いていき、完成した時に達成感がある
- 思い出せない漢字があったり、書くのに時間がかかる
読み手側の違いとしては
- 手書きの文字が書かれているだけ嬉しい気持ちになる
- 文字の雰囲気から、その人の雰囲気を想像できる
- 読みづらい場合がある
下記に詳しく書いていきたいと思います。
緊張感と心地よさ
書き手側の「緊張感」は、一見マイナスに感じるかもしれませんが、それは「相手への思いやり」から生まれます。相手を思いやる気持ちは意外と日常生活の中では少ないもので、それが手紙を手書きで書くだけで、自然とそういう気持ちになれてします。
そして、ゆっくりと手書きで書くことで、不思議と気持ちが落ち着いていきます。ペンを走らせる音は心地よく、一文字一文字心を込めて書くことで書き上げた時には達成感があります。それはとても気持ちが前向きになることです。
脳への影響
また、極度の緊張はストレスにしかなりませんが、適度な緊張は脳にもいいとされています。同じように脳の観点からみれば、手書きとパソコンでは脳の働きが全然異なります。パソコンで文字を書くと、漢字が予測変換で出てくるの正しいか間違っているかだけを判断するだけで書けてしまう一方、手書きは漢字を思い出し、書き起こす、という作業が必要になります。この、「漢字を思い出して書くこと」が脳の前頭前野の働きを活発にすることが分かってきています。
文字はその人を表す?!
読み手側にとっても手書きの文字は違います。
字にクセがあったりして読みにくかったとしても、字から伝わるものが必ずあります。文字というのはそれだけ、その人自身を表すものだからです。
また、上手い下手もありますが、丁寧に書こうとしてくれたかとか、そういうことは何となく伝わるものです。思いを込めて書けば、自然に文字の形に現れます。そういうちょっとしたところから、書いてくれた人の気持ちを察することができます。
それは、ブログやSNSからはできないことです。
気持ちだけでなく、脳へ、そして相手へもいい影響がある!
文字を書くことで、「相手へ思いやる気持ち」が生まれ「自分自身の気持ちも落ち着いて」、気持ちが前向きになっていきます。また、「適度な緊張感」「漢字を思い出して書くこと」が脳にもいい影響を与える。自分の気持ちを込めて文字を書く事で、相手へその思いを伝えることができる。
このことが、「手書きで手紙を書くこと」と「ブログやSNS」との大きな違いであり、手紙の効能といえるのではないでしょうか。
③準備が必要であること
手紙を書くことは、準備も必要です。
- 便箋や封筒(レターセット)を用意する
- どのペンで書くか決める
- 切手を用意する
書き出せばたったこれだけのことですが、これはとてもワクワクすることです。様々なレターセットやボールペンから、お気に入りを見つけ出すのは前向きな気持ちになります。
切手もさまざまな絵柄があるので、集めてみるのも楽しいものです。
何か集めたり、揃えたりすることは、達成感もあり、気持ちが充足していくことに繋がります。そういう楽しみが増えることも、手紙の効能の大きな一つです。
④ポストへ出しに行くこと
手紙を書いたら出しに行く必要があります。それは手間な場合もありますが、気分転換やちょっとした散歩に出かけるきっかけにぴったりです。
いつもより遠くのポストへ行ってみたり、郵便局まで足を延ばしてついでに切手を買ってくるのもいいかもしれません。
忙しい毎日の中で、ポストへ行くのは面倒であることも多いと思います。
しかしポストは駅であったりコンビニであったりと意外と街中にあるものです。
少し足を延ばしていつもと違う道を行けば、新しい発見があるかもしれません。
そういう何か目的がある毎日は手紙の効能でもあり、きっと心を元気にしてくれるはずです。
手紙だけができる、癒しの時間がある。
準備して、書いて、出す。一見手間と思える「手紙」のプロセスが、疲れた心を癒し、前向きになる気持ちを呼んでくれます。
そして、手紙を書いている時間―「手紙時間」は、普段の生活と時間の流れがまったく違います。ペンを走らせて、自分の気持ちと相手の気持ちを思いやって書く時間は、自然と心を癒していきます。
「手紙」は何も難しいことでも、大変なことでもありません。きっと、あなたの疲れた心を癒し、非日常な時間をもたらし、前向きな気持ちにさせてくれます。
まずは、書いてみてください。
参考文献:川島隆太著『スマホが学力を破壊する』集英社新書